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小川洋子≪密やかな結晶≫ [雨の日はミステリーを読む♬]

緊急事態宣言が出たから、というわけでもないですが
食料の買い出しや短時間のウォーキング以外は、ほとんど家に居ます。
もちろん家事や介護の諸々は、あるのですが
活字中毒の人間は、これ幸い・・と本の虫で居られるのが
ちょっと嬉しい(*´▽`*)

そんな訳で読んだ本をもう一冊[本]
DSC_7659 (640x486).jpg
英国のブッカー国際賞の最終候補まで残った作品・・だと言うこと。
勉強不足なものでブッカー賞なるものが、
どれだけ権威があるのかよく解りませんが・・

小川洋子さんの小説は、以前≪薬指の標本≫というお話を読んで
その、とろっとした乳白色のゼリーのような独特の世界、
ぞくぞくしながらもハマってしまった覚えがあります♬

島にすんでいる「わたし」の周りからは
定期的に、あるものが消滅していく。
人々はその直後は悲しんだり狼狽したりするが
暫く経つと、そのものがあった記憶さえも忘れてしまう・・

その、あるものは鳥だったり、本だったり、フェリーだったり・・
その消滅に協力しない人間は秘密警察がやってきて
乱暴に拉致されてしまうようで・・

あまら(@_@)なんてこわいお話なのかしら?
などと、それこそゾクゾクしながら
息を詰めるように読み進めると

「わたし」は秘密警察に追われている仕事仲間の男性を助ける為に
果敢に活躍して、その男性を自宅の秘密の空間にかくまうのです。

本来なら、その男性との時間は
悲壮感や焦燥感漂うものとなるはずですが
自分の宝物のような存在を、巣のような空間に閉じ込めて
幸福感を感じているようにも読めます。
この辺が、なかなか面白い(*´▽`*)
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(写真は本文とは、関連はないです[るんるん]

自分に脅威が迫って来た時、外に向かって撃って出るのが男性で
自分の内の籠って、息を潜めて
脅威が過ぎるのを待つのが女性・・なのかなぁって

いろいろ納得してしまったり♬
(小川洋子さんはアンネ・フランクに影響を受けたようです)

DSC_7553_01.JPG
こういうSFともファンタジーとも分類されにくいような世界観というものに
とても親近感を感じるのも、女性特有のものなのだろうなぁ・・[ぴかぴか(新しい)]

ふふ♬世の男性は
「えっ?朝起きたら自分の左足がなくなっていたって?
そんなお話読んで、何が面白いの?」って言いそう(^◇^)

nice!(26)  コメント(4) 

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コメント 4

よーちゃん

朝起きたら自分の左足がなくなっていたって?・・・怖すぎるぅ~( ̄◇ ̄;)
by よーちゃん (2021-01-17 14:52) 

まこ

★よーちゃん
でしょでしょ?優しい語り口だけど怖いんですよ~(@_@;)
by まこ (2021-01-20 14:09) 

sakamono

出歩かずにお家で読書をしてるんですね^^;。
ちょっと前に私の中で小川洋子さんブームがあって立て続けに何冊か
読みました。これは読んでなかったなぁ。友人と話をした時に、この本が
話題に上がってて。読みたくなってきました。
積読の本もたくさんあるのだけれど^^;。
by sakamono (2021-01-23 10:28) 

まこ

★sakamonoさん
そうですよねぇ~(^◇^)小川洋子さん、
ブームになってしまうの分かります♬
川上弘美さんとも共通するイメージありますしね。
是非、ご覧になってくださいね!!
(わたしも積読、山になっています^_^; )


by まこ (2021-01-23 16:28) 

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